野球におけるオーバーヘッドスクワット評価 代償動作とその解釈
野球における身体機能評価において、オーバーヘッドスクワットは用いられることが多い項目の一つである。
オーバーヘッドスクワットなどのファンクショナル動作検査では、特別な道具を必要とすることなく、一度に多関節の動きが観察することが出来る。
つまり、客観的かつ短時間に代償動作やアンバランスを見つけることが出来るというメリットがある。
特に投球障害をきたした選手では、多関節に動きの問題や運動連鎖の問題があることが多く特に重要な評価の一つとなる。
◇オーバーヘッドスクワットでわかること
・代償がなく身体の軸が出来ているか
・足関節、膝、股関節、体幹、肩の柔軟性と安定性があるか
◇各関節のチェック
*頸部のチェック
よく出る代償:頭部が前方に出てくる
原因:斜角筋、胸鎖乳突筋の硬さ
*肩の高さをチェック
よく出る代償:バーを持ち上げた際に片側(多くは投球側)の肩が挙がる
原因:僧帽筋上部の硬さ・前鋸筋の弱化
*上肢の位置をチェック
よく出る代償①:両側の腕が前に下がる
原因:両側大胸筋の緊張・僧帽筋下部の弱化
よく出る代償②:片側の腕が下がる
原因:下がっている側の大胸筋の硬さ・僧帽筋下部の弱化
よく出る代償③:肘が曲がる
原因:広背筋の緊張・僧帽筋下部の弱化
*肩甲骨の位置をチェック
よく出る代償①:翼状肩甲がみられる
原因:小胸筋の緊張、僧帽筋下部・前鋸筋の弱化
よく出る代償②:両側の肩甲骨の距離が離れる
原因:両側の大胸筋、小胸筋、広背筋の緊張、菱形筋・僧帽筋下部・小円筋・棘下筋の弱化
*体幹部のチェック
よく出る代償①:腰の位置が側方にシフト
原因:(右シフトの場合)右梨状筋・腸腰筋・大腿二頭筋・外腹斜筋の緊張、左腓腹筋・ヒラメ筋・内転筋・大腿筋膜張筋・内腹斜筋の緊張、加えて右大殿筋・左中殿筋の弱化
よく出る代償②:腰が丸まって見える
原因:腹直筋・ハムストリングスの緊張、大殿筋・中殿筋・骨盤底筋の弱化
よく出る代償③:腰が反る
原因:腸腰筋・大腿直筋・脊柱起立筋・広背筋の緊張、大殿筋・中殿筋・骨盤底筋の弱化
*膝のチェック
よく出る代償①:膝が内に入る
原因:内転筋・大腿筋膜張筋の緊張、同側の中殿筋・対側の大殿筋の弱化
よく出る代償②:膝が外に割れる
原因:大腿二頭筋・腸腰筋・梨状筋の緊張、同側の大殿筋・対側の中殿筋の弱化
*足のチェック
よく出る代償①:足部を上に向けるように回内させる
原因:腓腹筋、長・短腓骨筋の緊張、前・後脛骨筋の弱化
よく出る代償②:足部が外に向く
原因:ヒラメ筋、大腿二頭筋、梨状筋の緊張、
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