Tanimoto Takahiroのトレーナーnote

私自身の野球現場での活動(治療、トレーニング、コンディショニング)についてや、トレーナー活動を続けるために大事だと思ったこと、嬉しかったことや苦労したことなど普段の気づきをブログにしています!

野球選手に対するオーバーヘッドスクワット検査  ~動作中の頭の位置からわかること~

 

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今回はオーバーヘッドスクワット検査からわかる身体各部位に応じた代償動作による投球動作への影響について説明していきます。

今日は動作中の頸部の代償と動作の関係についてです。

ではさっそく始めます。

 《頸部の代償》
 頸部の代償は頭部の位置関係でチェックしていきます。

[身体機能からわかる影響]
 代償の中で特に多いものとしては、頭部が前に出ている動きです。頭部前方位・head forwardなどと呼ばれます。
 日常生活から姿勢の悪い選手に多く見られるもので、最近では携帯の使用などによりこの姿勢が多くなってきています。
 また、頭部が前に出る選手では、頭頸部以外にも姿勢への影響をきたし、上腕部の内旋が強くなったり、肩甲骨の間が広くなり円背傾向になってきます。
 このような姿勢では胸鎖乳突筋や斜角筋の緊張が強く生じてきます。

 特に野球においては、打撃や投球において頭部を体幹に合わせて回旋させていくことが多いです。そのため、ほとんどの選手で回旋とは反対側の胸鎖乳突筋が発達していることが多いというのも特徴の一つです。したがって、例えば右の胸鎖乳突筋が発達し緊張していた場合、頸部が少し左回旋位になり、右肩が下がったポジションになってしまいます。
 
 このことから、頸部の可動域低下による頸部の捻挫や、右肩が下がることによる肩のインピンジメント、腱板損傷などの傷害を引き起こす可能性が出てきます。

 投球においても(右投手で)右肩が下がった状態で行った場合、肩甲骨の上方回旋が出ず、肘下がりやコッキングでの肩の引っ掛かりが生じてきます。

 

[身体機能以外からも生じる代償]

 この姿勢では身体機能以外の部分からも影響がでます。特に夏場、暑さや痛んだ食事などから胃腸が弱くなってくる選手も出てきます。そういった選手の場合、頭部を前に出し、お腹をかばうように前かがみの姿勢をとることが増えてきます。さらに、胃腸が弱くなることで、横隔膜も硬くなり呼吸時にうまく収縮が起こらず、呼吸補助筋の胸鎖乳突筋や斜角筋が作用し肩で息をするようになってきます。そうなるとさらに緊張の亢進、姿勢の悪化が引き起こされ動作障害が起こってきます。

 以上のことからも普段、練習や試合後の頸部のケアや身体機能のトレーニング、暑さ対策や食事への配慮などを検討していく必要があります。

 

 今回は動作中の頭部の位置から判断する野球の動作への影響です。

 一度動作をチェックし自分が当てはまるのか確認してみてください。

 次回は肩の位置から判断する動作への影響を説明します!!
 

 

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