指導と実践
今回、臨床にて感じる指導者と指導される側の話をしていきたいと思います。
僕自身昨年より、実習生や新人セラピストの指導をさせていただく機会が出てきています。そんなとき感じたこととして、伝えた内容を自分が実践していくことの難しさでした。
実践の前にまず、人にわかりやすく物事を伝えていくことも確かに難しいとは思います。知識・技術の説明、評価・治療の進め方の説明など、人に説明するときはその人の何倍もの量を事前にインプットしアウトプットできる能力を身に付けておかなければなりません。
これも大変な作業ではありますが、そのあとの実践能力が重要だと思っています。
例えば、膝関節OAの症例であったときに、こういう病態で、今この可動域・筋力で、ここに疼痛が発生しているというふうに説明していくと思います。
このときに、説明したとおり可動域の改善が出来るのか、筋力の改善へのプログラムが立てられるのか、狙ったように関節の操作・筋の操作をして疼痛を消失させることが出来るのかといった実践能力を示すことが出来なければ、指導されている側からすれば、あまり納得できないと思います。
僕自身、説明するからにはそれを実践し、実際に改善したところを見せることが説得力のみならずお互いの信頼関係にもつながると考えています。
もちろん、うまく出来ないときや解決までの答えがすぐ出ないことはたくさんあるかとは思います。しかし、口で逃げてしまうだけではお互いの成長につながりません。めげずに何度も何度も仮説検証の作業を繰り返し、たくさん練習し、失敗・成功を繰り返すことが知識と実技の技術を兼ね備えた臨床力につながるのではないかと思います。
患者様、選手の幸せにつながるようこれからも有言実行能力を磨いていきたいと思います。